「歌詞」の検索でここへ来た方へ:
ここには歌詞の聴き取りや転載のコンテンツはありません
(ごくまれにあります)。お探しものが
JASRAC管理楽曲の場合、まずこちらで調べてみるのがよいでしょう→
歌ネット |
うたまっぷ |
J-Total Music
(Kennyささきは各サイトと利害関係はありません)
ゲームの曲は、メジャーレコード会社からサントラが発売されているようなものを除いてJASRACの管理楽曲になっていないものがほとんどなので、メーカー関係以外の第三者が正規の手続きを経てWeb上に歌詞を掲載していることはごくまれです。
・KOTOKOさんのアルバム『羽 -hane-』の歌詞は歌ネットにあります。
・CLANNAD関係の歌詞はGoogleで検索したほうがヒットしやすいようです。
(KeyオフィシャルBBSの書き込みもヒットしますので、これはメーカー公認ということなのでしょう(^^;)
『エルフェンリート』というアニメ作品
があります。
これのオープニング曲『LILIUM』はグレゴリオ聖歌を意識した歌で、歌詞までラテン語です。
*1
(OPムービーは上記リンク先公式サイトのメインメニューの「Movie」から観ることができます)
その歌詞の聴き取りをした人(イギリスのアニヲタらしい)のサイトを見つけました。
My Virtual Life (Cafe Shez)
(20/8/04のところ)
「timed subtitle file」のリンクをクリックすると、英語での対訳(試訳?)を見ることもできます。
ただし、この歌詞は聖歌から引用してできたもののようなので、訳もキリスト教用語的言い回しを配慮したほうがよさそうです。
というところまでは某所
*2
で書いたのですが、上記サイトの歌詞とつい最近まで
はてなダイアリー - エルフェンリート
の項に書いてあったOP解析の記述
*3
をヒントに原典となる聖歌の入ったCDを買ってきましたよ(笑)。
シロス修道院合唱団『グレゴリアン・チャント・ベスト』
結果としてこのCD、まるで示し合わせたかのようにOPの歌詞の引用元の聖歌がすべて収録されておりました。
もしや作詞家さんも同じCDを持ってるとか?(^^;)
それでは、その切り貼り(苦笑)の過程を追っかけてみましょう。
まずはこれが(たぶん)完全版!OP歌詞の全容から。
Os iusti meditabitur sapientiam,
et lingua eius loquetur iudicium.
Beatus vir qui suffert tentationem,
quoniam cum probatus fruerit
accipiet coronam vitae.
Kyrie, ignis divine, eleison.
O quam sancta, quam serena,
quam benigna, quam amoena.
O castitatis lilium.
続いて歌詞の出典と日本語対訳を。引用は全て上記CDの解説書より(訳:濱田滋郎氏)。
●1〜2行目(『OS IUSTI(正しき者の唇は)』および詩編37:30より)
正しき者の唇は叡智を陳(の)べ
その舌は正義をものがたる
●3〜5行目(『ALLELUIA, BEATUS VIR QUI SUFFERT(試練に耐えうる者は幸いなり)』およびヤコブへの手紙1:12より)
試練に耐えうる者は幸いなり
何となれば、いったん評価されしときは
人生の王冠を受くるべし
●6行目(『KYRIE FONS BONITATIS(善きことの泉なる主よ)』より)
主よ、聖なる炎よ、憐れみ給え
●7〜9行目(『AVE MUNDI SPES MARIA(めでたし、世の望みなるマリアよ)』より)
おお、いかに聖(きよ)く、いかに静けく
いかに慈悲深く、いかに情厚く
おお、純潔なる白百合
以上です。
ちなみに、このOP曲のタイトルとなっているLILIUM=白百合は聖母マリアの象徴です。『マリア様がみてる』の「山百合会」というのもここから来ているようですね。
*1: 日本のアニメ作品でラテン語歌詞のOPって、おそらくこれが初めてではないでしょうか?
*2: 最近では「某所」と書いてあるとそれはSNS内の日記を指すことが多いそうです(参考記事「
既存のWebコミュニティとSNSの関係
」ARTIFACT ―人工事実―)。…はい、その通りです(^^;)。私の場合は
mixi
なんですが、もしここを見ている方で入りたいという方がいたらご招待しますよ。ただし、私と面識があるかメールでやり取りをしたことのある方までに限ります。一応タテマエですので。
*3: 元は2ちゃんねるのエルフェンリートスレにあったものらしい。なぜ消えてしまったのかは不明ですが、まぁはてなダイアリーですのでいろいろあったのでしょう(激苦笑)。
ふだん歌詞掲載などしない当サイトがなぜ急に前述のような記事を載せたか
*4
ちょっと書いておきますと、ラテン語がマイブームだからなのです。元はと言えばキリスト教ヲタ(ヲタかよ!)なので「ラテン語ぐらいわからないと」というところから始まり、半年くらい前から入門書など読んでいました。
そこへ来てこの『エルフェンリート』の歌詞に出会い、いろいろと調べてみた成果が前述の通りということです(笑)。
大部分はCDの解説書から援用しましたが、1〜2行目と3〜5行目の出典については
ラテン語の聖書
(Vatican: The Holy See)
*5
からも調べています。
それにしても、マンガやアニメ、ライトノベルやゲームで西洋式魔術師や魔法使いが出てくるのは多いけど、なんでどいつもこいつもロクにラテン語使えないんだと思います。(とかいう)
かなり膨大かつ緻密な設定をしている『
Fate/stay night
』ですら…というよりシナリオライター奈須きのこ氏の公表作品全体を見ても「正統な魔術師」とか言ってるわりにラテン語使いひとりも出てきませんからね(苦笑)。
Fateの言峰神父なんかはラテン語の素養がありそうなキャラですから、ぜひ呪文はラテン語で言ってほしかったところです。(とかいってみる)
そういった意味では『
魔法先生ネギま!
』は呪文がちゃんとラテン語になってるのがいいですね。イギリスの魔法学校で正統な教育を受けたネギ君がラテン語使うのは当然のことです。
赤松健氏ってあまりにもあざと過ぎて『
ラブひな
』あたりまでは嫌いだったんですけど、『ネギま!』ではこのあたりちゃんとリサーチしてやってるのですっかりファンになってしまいました(近刊では古典ギリシア語や真言や祝詞まで出てくるし…)。
*4: ただしKennyささきとしては歌詞を載せたというより、あくまで「歌詞の引用元の解析」をしたつもりです(笑)。
*5: vaドメインのサイトってここで初めてお目にかかりました(^^;)。他にあるのかな?